うけみ

何もせずとも、ただ生きる糧が与えられる環境に慣れていくと、次第に何の行動も起こさなくなり、終いには行動できなくなってしまう。使わない筋肉は衰えるように、行動力もまた衰えるのだろう。

お金さえ払えば、ただ生きる糧が得られる環境に慣れていくと、次第にお金の便利さに依存していき、終いにはそれなしで生きる術を忘れていく。すると、自給すれば大した労力の要らないことも、わざわざお金を経由することで獲得しなければならなくなるため、お金がなければ何もできなくなってしまう。

人工物は後付けにすぎない。それまではじゃあどうやって我々は、生きていたのだろうか。そんな疑問を抱くなら、大事な能力が失われた証拠だろう。死の淵に滑り落ちていくまで、頭も身体も使わないでいるつもりはない。いつまでもうけみのままいるつもりもない。

甘えることから抜け出そう。環境は自分で創るものだと、考えから改め直さねばなるまい。